やわらかな遺伝子を読んで考えた

やわらかな遺伝子

やわらかな遺伝子

ものすごく面白かった『ゲノムが語る23の物語』の著者が、21世紀の人間観を提案する意欲的な書籍を読んだ。書籍そのもののレビューは書評用の日記にアップしたのでヒマがあったら読んでほしい。

bookweaver – やわらかな遺伝子

宗教に対する『神は妄想である―宗教との決別』と同様に、ほぼ単一民族で構成されている日本社会に住む私には、本書の訴える切実なメッセージが身体感覚として届きにくかったことは事実だ。異民族と肩を寄せ合いながら、時に奴隷として使い使われ、ダーウィンによって動物の一種に引きずり下ろされ、ヒトゲノムによってチンパンジーと95%まで同じ遺伝子を持つことにショックを受ける、という歴史の中に生きている著者の切実さは、すこし遠い。でも、大切な考え方だ。生理的なレベルで理解したいと感じる。

最も近く、文化的なものが大量に輸入されてきている中国ですら「漢人」「女真」「ウイグル」「蒙古」を履歴書に書かなければならないように、人種や民族観がいまだに根強く社会に根ざしている。中国人に私が沖縄方面の出身だというと「ああ、あなたは日本の少数民族(アイヌ)なのですか」と言われるのだ。

幸か不幸か私は生まれも育ちも異様に均等な社会に暮らしている。この異常さはたくさんの外国人労働者や彼らの作るコミュニティ、嫌も応もなく一国で住まなくなりつつある経済活動や格差社会で徐々に崩れつつあるんだが、サバンナで埋め込まれて均等な島国文化のトリガーで作られた意識に身をゆだねてちゃいかんよな。

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