ハイドゥナン(上下)

ハイドゥナン (上) (ハヤカワSFシリーズ・コレクション)

ハイドゥナン (上) (ハヤカワSFシリーズ・コレクション)

ハイドゥナン (下) (ハヤカワSFシリーズ・Jコレクション)

ハイドゥナン (下) (ハヤカワSFシリーズ・Jコレクション)

現在最も注目している作家、藤崎慎吾の長編SF。南西諸島沈没の危機にシャーマニズムをもって立ち向かう、というオカルトかつ伝奇なネタを、科学者の活動と舞台となる近未来の「日常」を通して丹念に描き出すことに見事に成功しているため、一級のSFとなっている。ページ数は多いが、気持ちよく読み通すことができるだろう。

SFに限らず綿密に描き出される「日常」は、現代においてドラマを語る上で必須ではないだろうか。少なくとも私は「日常」を感じることができない物語には共感しにくい。

ところで、本作でも潜水艇が出てくるんだけど流行ってるのかな?

表紙は田中一村の日本画だが、なんだか色がくすんでしまって平板になっている。残念だ。本物の持つ透明でねっとりとした空気感は、確かに印刷するの大変そうだもんな。田中一村作品集の印刷はそこそこ本物の雰囲気を伝えているのでおすすめだ。

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