レックス・ムンディ (集英社文庫)

レックス・ムンディ (集英社文庫)

レックス・ムンディ (集英社文庫)

なんというか、読んで安心してしまった。時折、自分にそういう趣向があるのかと疑っていたりしたのだが、衒学趣味はないらしい。

私にとっては伝奇小説のスタイルをとった荒俣知識開陳書籍であり、それ以上でも以下でもなかった。この数年で20冊ぐらいしか読んでいないのにいうのもアレだが……いままで読んだ「イエスもの」の中では最高に退屈な一冊であった。やはり「イエスもの」はキリスト教者が禁忌を犯す緊張感で書かなければ面白くならんのか?

荒俣らしい道具立てや細かなネタはひとつひとつ取り上げれば興味深いものになるのだろうが、ひとつひとつのネタへ掘り下げた感触は全く感じられなかったことが残念である。小説である必要を全く感じない。

数カ所登場したレポートや手記による演出はすばらしいのだが、専門家同士の会話で背景の説明をしてしまうような、素人臭い演出*1には辟易する。漫画と人生 (荒俣宏コレクション) (集英社文庫―荒俣宏コレクション)で著述しているようにマンガ家としては大成しなかったとのことだが、しょうがないな。人間の会話が描けないんだよこの人。ちなみに、漫画と人生 (荒俣宏コレクション) (集英社文庫―荒俣宏コレクション)は良書だよ。

ところで、帯に「ダ・ヴィンチ・コード」の興奮を超える[書籍帯より引用:title=*]とかあったりするが、編集者の方、本書も「ダ・ヴィンチ・コード」も読んでないよねぇ(笑。

眠れない出張先のホテルでのよい時間つぶしにはなった。

*1:デキの悪い芝居にありがちな説明ゼリってやつだ

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

%d人のブロガーが「いいね」をつけました。