出張合間の休日

今回も土日を合間に挟む形で合肥に来ているので、休日がある。ま、仕事もたまるからやってたりするんだけど、開発区のホテルに缶詰では気が滅入ってしまうので、日中は外出することにしている。

さて、今週はどうしようか。

黄山行きは断念

安徽省には黄山という景勝地がある。水墨画の風景を涙ぐましい努力でキープししている世界遺産だが、ちょっと行ってみようかと思いスタッフに「汽車でどれ位かかる?」と聞いたら3時間とのことで、それならばぜひ行きたいと思いたって調べてみたんだが、3時間は最寄り駅まで。そこからバスで5時間ほど移動して、ケーブルカーに乗って山頂で一泊しないと帰って来れないような場所だった。400kmしか離れていないというのに、って400kmって東京→大阪。そりゃ無理だな。

きちんと休みを取って、純粋に観光で行きたいものだ。ハイシーズンの帰省よりも遥かに安くあがるんだし、っていうか国内の航空運賃、あれはなんなんだ?年末帰省すると往復割引で8万円ってのはどういうことなんだ?いくら割引を駆使しても台湾で一週間遊ぶ方が安いってのは理解できないんだが。

行き方など

てなわけで、手近な景勝地を探してみたら、いろいろあるじゃないですか。さすが2000年の歴史がある地域だ(合肥って三国志に出てくるんだよな。前回の出張では曹操が陣を構えた場所にある明教寺に行ってたらしい)。

合肥から約60kmのところにある「三河古镇」。写真を見るとなかなかそそる。1000年ほどまえに作られた街らしいが、いろいろ旧い町並みが残っているらしい。

バスでも行けるらしいが、ホテルのフロントに聞くとそこら中のスタッフが集まってきて「外国人がバスなんて無理無理~~~~」と合唱され(しかし、中国ではなぜスタッフが集まってくるのだろう)、車を運転手ごと借りる方がいい、と言われた。私はバスでもいいんだがバス停を教えてくれないので、ベルボーイにお願いして車を調達してもらうことにした。300元か、まぁ、いいや。

そりゃ、迷子になって帰って来なかったら困るもんなぁ。ていうか、バス停すら自力で探せない外国人がバスで行く方のは無謀、という真っ当な判断ではあるな。うん。

いざ、三河古镇へ。

迎えにきた車に乗って、いざ三河古镇へ。

Going straight-way to ancient village Speed check!!

高速道路に乗って30分ほど走ると、もう、そこは田舎。気持ちよく走っていたら、前が渋滞、しかも警察にいきなり止められた。スピード違反(超速「トウス」)だったらしい。現地の老人がじーっと取り締まりを見ていた。

an old person

この検問は容赦がない。渋滞しようが対向車線の車が完全に止まっていようが、遠くの車をスピードガンで計って超過していたら問答無用で止める。私もパスポートを見せる羽目になったがジーンズの前ポケットに突っ込みっぱなしにしてよれよれになった「日本国旅券」が怪しまれてしまった(日本人がこんなに汚い旅券を持っているはずがないとのこと。余計なお世話だ)。

Chinese village Chinese farmer house

検問で止められたのでちょいとパノラマ撮影などしてみる。普通の広角パノラマと、望遠3枚繋いだ高解像度写真。Photoshop CS3は偉大だ。

到着

Arrived to ancient village

ちょっとドタバタしたが、無事に到着。

駐車場に車を止めて、橋を渡る。観光客がたくさん来ているのだが、最近中国ではこのような古鎮を巡るのが流行っているらしい。近代化に疲れてるのかな?修学旅行っぽい学生もたくさんいた。外国人は私だけだったが。

Old china town building detail River flowing in town

小さな瓦を敷き詰めた建物、煉瓦漆喰と組み木の梁。橋の向こう側には本当に古い建物がぎっしり建っている。角がすり減っていて黒光りしている石畳は宗の時代の部分もあるらしい。

Old town house

街の南側には、こんな民家もたくさんある。三河古镇は実際に人も住んでいるので、ゴーストタウンでもないし作り込まれたテーマパークでもない。

An old walking Bug wiper making pickles

漬け物を干していたり、機織りをしていたり、食事を歩きながら食べていたり、廃品回収の仕事をしていたりするんだ。ここに住む人たちは、毎週のようにやってくる大量の観光客を相手に「古き貧しき中国」を演じているのではないだろうか、という疑念すらよぎる。李白の詩を朗しながら歩く乞食は市街地にいる乞食とは一線を画した風格すら漂っていたし、羊の毛を叩いていた老人は一切の機械を使わず弓で毛をはじいていた。

Pugs Gardian cat Dog Birds

動物も多い。中国犬がたくさん飼われているし猫もいる。動物は好きだが、狂犬病の予防接種が義務づけられていない国では絶対に触わらないことにしている。うちにも猫がいるので、ノミやダニでも持ち帰るのは厳禁だ。

River in old town Outside of town view from tower River in old town

三河古镇は文字通り、3つの河(というか運河だな)に囲まれた水郷だ。宗の時代に作り始められたということだが、その頃だと水に囲まれていることのメリットは大きいよな。たとえ、歩いて渡れる河であっても。

安徽民俗館

街を歩いていると、広場に「安徽民俗館」なるものが見えてきたので、中に入る。一人4元。

Ancient Chinese home museum (archive?)

これですよ見たかったのは。安徽省の暮らしぶりがそのまんま放置保存してある。たくさんの陶器や磁器の中には、名品と云ってもいい位の形と風合いを保ったものも多く保存されている。

1F atrium Nice picure on old chinese Many pottery and chinese

お金持ちの家だったのだろう。中庭のある1Fには召使い用の寝室にわらのベッドがそのまま置いてあって、2Fには天蓋付きのベッドや機織り機が置いてある。仕掛けも説明も何もないけど、これこそ見たかったもの。

なんで外国人向けにこういうのをやってくれないのか?恥ずかしいわけでもあるまい。ぜひとも、こういう施設を増やしてほしい。千年オーダーで培い、数百年通用する民具はそれだけで人類の財産だ。

2D corridor at ancient chinese house

この家は古くからずーっとメンテナンスされ続けてきたんだろう。土間の石畳はすり減っていて一枚の岩のようになっている。狭いけれど風通しもよく水はけも考えられている、すばらしい家だ。

Toll gate old person

収銭台のおじいさんもいい雰囲気。長年ここで暮らしているんだろうなぁ。

街のディテール

建築のディテールがとても面白い。

Old chinese window

まず格子窓のデザインに惚れた。ここまで頑丈な格子が必要な治安の悪さも想像してしまうが、そこにここまでの意匠を傾ける文化の深さを感じる。鉄の加工って面倒なんだけどなぁ。

Waterfall hole#3 Waterfall hole#2 Waterfall hole#1

次に面白かったのが下水の穴。石から削りだしているのだけど、二つ穴や3つ穴に加え、渦巻きが自然にできるように工夫したものもある。いつ頃からあるのかわからないけれど、下水があったことに、そして、それが道の下に隠されていることに驚いた。

伝染病の予防のために街を水堀で囲い、更にネズミが家に侵入してこないように道の下に埋めているのだろうが、その実用のための穴に意匠を加える心は見習わねば。

Hourse (cow?) keeping ring

また、家の壁には馬をつなぐためのくぼみなんかがあったりする。触るとごつごつしている。いったいどれだけの時間使われれば、石がこういう風にすり減るんだろう。

Old house gate Old house gate Old house gate Temple gate Entrance of ancient Chinese home

世界中どこに行っても古い家の門は面白い。ご多分に漏れず、中国の古い民家の門も力が入っている。日本の家と違って全体が壁に囲まれていて、家も同質の壁で囲われているので2重の入り口があるように見えるのだが、この重ね合わせでいろいろと遊んでいるのが楽しい。

外側の門の形は凝ったものが多いので楽しいが、門の上の瓦の置き方も面白いな。鳥の羽をイメージしているのか、小さな瓦をたくさん重ねて両端が「ぴょん」と伸び上がっている。軒のカーブは日本にも韓国にもあるが、本家の中国ではどんどん角度がきつくなっていったようだ。

Closed gate

寺の脇に、つぶされた門を見つけた。コンクリートで埋められているので、つい最近のことなのだろうけど、いったい、どんな門がここに嵌っていたのだろう。

Gate detail

瓦と言えば、お寺の門の横にある飾り窓が瓦を互い違いに重ねるという手法で作られていた。安い材料を工夫してつかってるなぁ。美しい。日本でこれをやると地震で崩れてしまうんだろうけどね。

ノーベル賞学者の家とか寺とか城壁とか

更に歩いていると、ノーベル賞を取った楊振寧[Wikipedia]の家が出てきた。

Professor Yan’s house Professor Yan’s house Professor Yan

こんな街からノーベル賞とったら、そりゃ名士になるよなぁ。記念館の中に入ったらいきなり外国人の写真がたくさん貼ってあってびっくりしたよ。

Narrow path

この家の隣に、一人だけが通れる小径なんて、怪しいところもある。

どうやら、名所らしく、修学旅行封の学生が次から次へと吸い込まれていっていた。

Lighting In temple

寺はいいね。独特の線香の匂いと静かな時間が気持ちいいので、ついお香を買って拝んでしまう。旅行中にお寺に行ってお香を上げるのは、かなりおすすめ。10分足らずだけど完全に一人の時間を作ることができるから。

Castle wall gate Castle wall

いきなり城壁が出現した。太平天国が作ったモノと書いてある。他の城壁に比べるとしょっぱい作りではあるんだが、太平天国って農民の反乱みたいな一揆のようなものを想像していたので、かなり驚いた。国だったんだなあ。

あら?よく見ると屋根に像がくっついてるな。これって皇帝から授かる建物の位を示すものだったはず(故宮の執務室が最大で9個だったか?)だから、太平天国が勝手につける訳もないものだ。自分でつけるなら9個以上つけるだろうに……説明文読み間違ってんのかな?

塔があったら登るでしょ、やっぱ

なんだかしらないけど、中国の公園では塔を見ることが多い。どこに行っても同じ意匠なのでつまらないと言えばつまらないのだけど、やっぱり登っちゃう。

Tower in old town Chinese old town panorama

これが、三河古镇の全景パノラマです、といいたいところだけど、この塔が街の中央にないので、全然見えていないところがたくさんあるのだ。瓦の意匠がそれぞれ時代ごとに違っていて面白い。

New apartment area

共産党になってからの中国政府が作ったアパートメントエリアが隣接していた。真っ白な壁と屋根の意匠は古街にあわせつつ、5階建てのコンクリート(どうせ中は煉瓦なんだろうが)のアパートに仕立てている。足下も同じサイズにそろえた、しかし、新しく機能的な石畳で古街区との連続性がある。中国は侮れない。

公営住宅に限らんが、日本の町づくりの無惨なこととは対照的だ。バカにしているであろう社会主義のモノ作りに負けとるんだ私たちはこういうところで。

雨が降ってきたので帰る

ちょうど一巡りしたところで、ぽつっときたので帰ることにした。

broken ad-board blocks traffic

帰ったら、でかい看板がぶっ倒れていて対向車線が大渋滞。そんなでかい看板の柱を地面にボルト止めしてるだけかい。あぶねーなぁ。

1000年持つ街を作った祖先が見たら泣くぞ、もう。

ふぅ

ずーっと外が雨続きでなんもできなかったので、長々と書いてしまった。雷なってるし。

ホテルのネットワークがどんどん遅くなってきたので、今日はおしまい。

たまには、こういうのもありかな。

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