得体の知れないAdobeの開発力

Adobeのアプリケーションは一見普通のCarbonアプリケーションに見えるが、細かな部分で少しだけぼろが出る。

Mac OS Xでは、Commandを押しながらドラッグすると背面のウインドウを動かすことができる。Cocoaアプリケーションだと更に徹底していて、Safariで背面にあるアクティブでないウインドウのリンクをCommand+クリックすると手前のウインドウのタブにURLを開くことができたりするし、アクティブでないウインドウのスクロールバーを動かすこともできたりする。

ところが、Photoshop CS3ではレイヤー効果などのウインドウの裏にあるウインドウを動かすことができない。できると思い込んで作業レイアウトを作るのでいきなり戸惑う。

前にも書いたが、ウインドウの横スクロールがShift+ホイールではなくCommand+ホイールだったりするのもびっくりしてしまう。

時計はクラシックな腕時計だし、ユーティリティウインドウ(Photoshop CS3ではどうやらルックスを似せることをあきらめたらしいが)の挙動も全く違う。

つまり、彼らは、Mac OS XのAquaインターフェイスやCocoaのアプリケーションフレームワークのインターフェイス部分を模倣するソフトウェアを書いているというわけだ。UIデバッガやメッセージ追跡ツールなどでPhotoshopなどを見るとかなり不気味だ。

まるで人間の皮をかぶった別の生き物が動いているような、と言えばいいだろうか。

しかし、チューリングテストの例を引くまでもなく、ユーザが気づかなければ「標準的な」Mac OS Xのアプリケーションなんだよな。得体の知れないところでがんばってるよ。彼らは。

Shadeは見た目が明らかにカスタムなインターフェイスになっている部分以外、ユーザに触れる部分がほとんど純粋なCocoaアプリケーションとして振る舞う。Cocoaアプリケーションの恩恵も受けられる反面、Cocoaに由来する困った仕様(ユーティリティウインドウをアクティブにした状態でEscキーやCommand + Wでユーティリティウインドウが閉じるとか)まで引き受けてしまっている。Mac OS Xに慣れていればまず間違うことのない振る舞いではあるが、Mac OS9から引っ越してきたばかりのユーザは困っているかもしれない。

WindowsとMac OS Xの「標準的に見える」ソフトを同一のソースから作り出すアプローチとしては全く逆なんだけど、面白いなぁ。

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