青年団国際演劇交流プロジェクト2007『別れの唄』

すばらしい。なんでこの公演が日本でたった一つの劇場でしか行われないのか不思議でしょうがない。

日本で逝去したフランス人の通夜に集まる家族が、通夜の後の一部屋で作り出すディスコミュニケーション空間。「死」を悼む様々な表現が、隙間だらけの、やりきれない時間を作り出してしまう。コミュニケーションできない相手のことを理解できないまま、なす術もなく委ねざるを得ない登場人物たちに明快な回答は明示されない。引用された有島武郎の「小さき者へ」の強い言葉は登場人物の間で昇華されず漂うばかり。暗く、湿っぽくなっても仕方のないこの時間を、観客に見せることのできるエンターテイメントに織り上げていく技量はほんとうにすばらしい。

平田オリザさんの代表作となった「東京ノート」が4月に初演されたアゴラに帰ってくるらしい。絶対に観に行く。

追記

一つだけ残念なことがあった。舞台の高さだ。日本家屋での「座り芝居」がメインとなっているのだが、トラムの客席は傾斜がきつく(普通はいいとされるんだけどね)、上から見下ろす格好になってしまっていた。

宙に浮いた方形の舞台で演じられていたら、もっと印象的だっただろう。

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