7年も積ん読するもんじゃないな

いつから家にあるのか忘れてしまっていた本を出張に持ってきて読んでいる。530ページの大著だ。重い。

たしか『クォークとジャガー―たゆみなく進化する複雑系』を読んだばかりの頃にサンタフェ研究所所長のホンモノが出たから手を出したんだったような気がする。もう、購入の同期を覚えてないや。複雑系と自己組織化というアイディアの源泉は今読んでも大変に面白いのだが、科学関係の書籍を7年もおいて読むとさすがに辛いものがあるな。

7年前、ってと私のようなファン層が読める啓蒙書籍関係で自己組織化を考慮した進化論なんてのは他に目につかなかったし、カンブリアン・エクスプロージョンも故・スティーブン・J・グールドの『ワンダフル・ライフ―バージェス頁岩と生物進化の物語 (ハヤカワ文庫NF)』(おや?日本語版の発行年はワンダフル・ライフが後なの?おかしいな。)でセンセーショナルに紹介される話題だったから、自己組織化による秩序モデルの形成ってのはとても面白く読めたんじゃないかと思う。あ、そうか、だから購入したんだ。

でも、本書のミクロな話はとても面白い。細胞の表現形がアトラクタを遷移するあたりはかなり興奮するんだけど、7年はやっぱり長いよなぁ。帰りの飛行機で続きは読もうかしら。

出張合間の休日

中国の滞在はノービザの場合15日間だが、休日があることを考えると平日を移動日にしたときには今回の11泊12日が限界になる。こういう出張のパターンだと必ず土日が挟まるので、稼働日にきっちり働くため、土日はリフレッシュすることにしている。

今日は、合肥の中心街を歩いて半周してきた。

市内に向かう

A map of Hefei city Planning to Hefei visit

地図を見ながら粗い計画を立てて市内まではタクシーで移動した。今日は35度の予報。バスに冷房はついていない。もちろんタクシーにも付いていない*1が、私はすし詰めになるよりは170円払った方がいい。

Typical apartment in China

市街地近くのアパートはモダニズム様式が多い。コンクリートのスラブにとってつけたようなガラスのテラス、そこからまっすぐ伸びる物干竿が中国を感じさせる。市の中心から離れると、古いアパートは鉄筋コンクリート造に瓦屋根、新しいのは近代的なビルが増える。

これらの集合住宅は壁で囲われた一つのコミュニティを作っていることが多い。間違って迷い込むとよそのもの扱いされる気分を十分に味わえる。

この様式のアパートメントは共産中国時代に建てられたのだろうけど、コルビジェスタイルの集合住宅はソビエト連邦できっちり保存されてそのまま中国で使われているのだな、と慨嘆。もちろん、大本からは大きく違うものになってしまっているのだけどね。

Hoan Shan Lu symbol Building Express way

巨大彫刻やむちゃくちゃな建築足場など見ていると到着。だから竹と同じ量の鉄を使う必要はないと思うのだがなぁ。

Market place Bird

タバコがなかったので市街地の南側で降りて近くの市場に入ってみた。豆腐や野菜、麺類や衣服などに加えて生きた鳥とか魚とか売っている。こりゃ鳥インフルエンザが怖いわけだ。

肉類は種類が豊富だ。鳥は鶏、烏骨鶏、鳩、アヒル、鴨を見た。購入すると奥でツブしてくれる。匂いは強烈なので苦手な人はこういう市場に入らない方がいい。

Fruits saller wagon Fruits saller

合肥に限らないけど、路上で果物を売っているのはありがたい。いまの季節はライチとノイチゴ、そして一年中ある瓜がおいしい。ちなみに、ハンパな中国語で値切っても無駄。倍渡されるだけだ。キャッシュフローこそ大事なんだ(違

包孝粛廟

Bao load museum entrance Bao load statue Chinese Guillotine Bao’s court

合肥市の南東にある包孝粛廟からスタート。包孝粛は閻魔のモデルにもなった名裁判官。包孝粛廟周辺の資料館には必ず手足や首、胴体を切るためのギロチンが展示されている。蝋人形があちこちに展示されているのがおかしい。

Old Hefei city map Solo musician Sleeping

包孝粛廟には当時の地図が展示されていた。城壁に囲まれていたようだ。この城壁周辺の堀は今でも水があり南東側1/4が包孝粛廟関連の公園になっている。大道芸や射的の屋台などがあり、それなりににぎわっている。

市街地に入る

East side of Hefei city 2yuen shop

今日は特に目的もなくぶらぶら歩く。百円ショップならぬ2元(35円位)ショップが人気らしい。人が集っている。

Distributor sale drink, foods and condom!

市内のあちこちで見かける、飲みものとお菓子とコンドームを売っている自販機がおかしい。お菓子まではわかる。なぜコンドーム?ちなみに10元だった。こうやって気軽に買えるといいのだろうか。いいんだろうな。

Anime magazine sale Ice tea sales crew

雑誌をおいてある屋台では、なぜか日本のアニメキャラが印刷された雑誌を売っていたりする。テニスの王子さまとか、なんなのだろう。公衆電話をほとんど見かけない合肥市内だが、屋台にあったりするので油断ができない。屋台では飲み物も売っているが冷えていないことが多い。ちなみに、ペットボトルに入ったお茶には、ほとんど砂糖が入っているので日本で見るパッケージと同じだからといって油断してはならない。砂糖が入ったヌルいお茶は苦手な人だと吹き出すかもしれん。甘味料よりも砂糖の方が安いためか、ケミカルシュガーが清涼飲料水に入っていることがほとんどないのが幸いだ。

Mobile phone mega store Mobile phone saller

韓国に行ったときも感じたのだが、携帯電話販売が強烈な競争状態になっているようだ。テナントを貸す側も便乗してでっかいフロアに販売店をすし詰めにして過当競争させている。競争に疲れて店が出て行く→次の店が入る、というルーチンなのだろう。1/4ぐらいのスペースでいつも入れ替えをやっている。

明教寺を再訪

Front of Temple Lotus and gong chamber incense pagota

曹操が弩の陣を構えたという明教寺を再訪した。前回は仏事をやっていたが今日は閑散としているので構内をぶらつく。堂内に居着いているおばあさんたちにうさんくさい目で見られるが、手を合わせてにっこり笑いお辞儀をすると警戒心が解けたようだ。いろいろ案内してくれた。全く言葉はわからないけど。

An ancient well

この寺の中には紀元前に掘られた井戸がある。まだ水は出るのだが枯れてしまうのを恐れてカバーが掛けてある。桶を持ち上げる綱で周囲の石が削り取られ花びらのようになっている。少林寺の足跡といい石が削れるってネタがほんとうに好きなのだなぁ。

incense pod

仏教徒ではないが、寺は和む。お香を上げて拝礼すると、街の喧噪が消えていく。

食事

Shan Tang Cafe Flied rice

台湾資本の珈琲ショップで食事をとる。アイスコーヒーにはかなりの確率で砂糖とミルクが先に入っているし、氷が生水のことも多いのでほとんど飲まないのだが、今日はあまりの暑さに耐えかねて思わず注文してしまった。蟹炒飯は美味。長粒種の炒飯は癖になるなぁ。どこで食べてもぱらりとしている。日本の中華屋さんはひょっとしてこの味を出すためにものすごい修行をしているのではないのだろうか。

Soup

外資の店には結構きちんとしたトイレがあるので、こういうところを利用している。さすがに伝統トイレはそろそろ絶滅しているだろうけど(明教寺にはまだあった)、座り込むタイプのは面倒が多い。

中国ではSAASと鳥インフルエンザの流行を受けて、手洗い所に石けんをおいているところが多い。また、手をきちんと石けんで洗う人もかなりの割合いるので、衛生感はこの2年で大幅に向上したんじゃないだろうか。何が幸いするかわからないものだ。

市街北西部の繁華街

Inside market place Old market place gate Rest

ちょっと前の秋葉原のような雰囲気の繁華街がちらっと見えたので覗いてみたら、古い建物をそのまま使っている市場エリアだった。外国人なんか一人もいやしない。相当いい雰囲気だったので、奥まで入り込んでみた。

このエリアの中央には仏塔があったのでやはりお香を上げようとしたら、お香の売り子のおばあさんが拝礼の仕方を指導してくれた。5点到地の様式化されたやつだ。きちんとやってみせたら、忘れ物箱の中から引っ張りだした数珠をくれた。終わった後は南に出て戻ってくるなと言うところまで指導されたので、ここで引き返すことにした。親切でいいおばあさんだったんだが、周りの中国人に「この人日本人なんだよ」「日本人がきちんと祈ってるよ」と大声で呼ばわっていたんだが、ちょっと迷惑や。掏摸が出るエリアでそれは止めてくれ。

ショッピングモールやデパートでの支払い方法

商品を選んで購入することになったら、スタッフが引換券をくれるので、これをレジ(収銀台)に持っていき、支払いを済ませる。支払うと引換券にハンコを付いてくれるのでこれを売り場に持っていって、商品と引き換える。日本のデパートではスタッフがレジを済ませてくれるところが多いが、中国ではよっぽどの高級デパートでない限り、この部分がセルフサービスだ。

書店はやっぱりすごい

さすがに、活版印刷発祥の地*2だけあって、書店はすごい。書店もすごいが客の数もハンパじゃなく多くて、みんな立ち読み座り読みしている。みんな書籍が好きなんだなぁ。

ちなみに、書店は书店と書く。漢字の形が大きく違うが、この漢字の意味が分かると、そこかしこに小さな書店があることに気付くだろう。とにかく、書店が多いのだ。

Parts of Law Manga technique

書籍のタイプは単行本が主体で、日本にあるような文庫本や新書のようなサイズの本は少ない。実用書籍の充実ぶりは前回も書いたけど何度体験しても圧倒される。書籍の種類は、マンガが大手を振っていないところを除くと、それほど変わらないかな。ラノベもブームみたいだし。書籍の種類で独特なのは、部分切り出しされた法律書や規定集が一般書籍と同じように売っているところ。

また、最近はきちんとした翻訳書籍も多くなったのか、翻訳権を主張した書籍がやたらと目につく。日本のマンガ指南書が大量に販売していたのはおかしかった。今日はホーキングのThe Universe in a Nutshell(果壷中的宇宙 42元)を購入した。イラストがいっぱいなので中国語がわからなくても楽しい。著者とホーキング博士が一緒に写っている著者近影がいい。印刷もしっかりしてる。日本語版って出てるのかなぁ。

職業柄避けては通れないCG技術書籍のコーナー(!)では3DS Max専用の棚があった。日本では休刊してしまったComputer Graphic Worldの中国語版もあるし、中国の雑誌社の手によるCG専門雑誌もおいてある。日本よりも充実していることは間違いない。

Book basket Book bag

ちなみに、書籍の購入は戸惑う人がいるかもしれないのですこし解説しておく。合肥市内に3フロアある大きな書店を2つ見つけたがシステムは同じだった。フロアごとに清算して、レジ横のかごに購入した書籍を入れてフロアを移動する。清算するときに書籍の裏にはんこを付いてくれるが、書店から出るときにこのはんこをチェックして袋につめてくれる。これは北京でも同じだったので、ほとんどどこでも同じシステムだと思われる。

写真の色がおかしいように見えるかな?

写真が赤っぽく見えるはず。これは、本当に赤いんだよ。

ホテルに帰り着いたら体中がべたべたしていて気持ち悪かったのだけど、手を洗ったら黒い水になった。空気はかなり汚い。ばい煙のために、太陽が赤く見えるんだ。

使っているデジカメはXactiなんだけど、ホワイトバランスを吸収しきれなかったらしい。

*1:そういえばフィリピンではAircon TAXIってのがあったな。あっちは40度を超えるうえに渋滞が半端じゃないから死活問題ではあるんだが

*2:余談だが、現存する世界最古の印刷物は日本で印刷された百万塔陀羅尼今経。なぜ歴史の授業で教えないのか。

残業

今日はちょっと残業してもらった。アブダクションされても文句を言わない……違うか。とにかく日本人ホワイトカラーの残業上等スピリッツは通用しないので雑談と冗談を飛ばしながら、やんわり仕事を終わってもらう。

どのみち仕事の量を量り間違うか、そういう能力のスタッフを雇用した管理者の責任なんで、押し付けられるスタッフにとってはたまらない話であることは世界共通なんだが、中国ではその他に、以下に上げるこういう事情もある。

  • 国営企業の風土
    国営企業の多くは17:00に仕事を終え、その後の時間をレジャーや家族との時間に使っていた。今、そういう企業はほとんどないが、スタッフの両親はそういう会社に勤めていたので、そういう時代を知っている。
  • 家族との時間を大切にする
    家族との時間は皆、死守する。これを守れない人間は否定される。「家族と……」という理由は最終兵器なので無下に扱ってはならない。これを言わせたら負けだ。
  • 食事の問題
    • 家で食事をとる
      以前「人件費と物価」でも書いたように人件費に比して物価が高いので、家で食事をとる人が多い。
    • 家族と外で食事をとる
      家族と待ち合わせて外で食べるパターンも多い。中国の料理店は複数人で食べることを前提にしている店が多く、一人で食べるとやたら高くつく。
    • 深夜営業のマトモな店がない
      北京や上海ならともかく、田舎では深夜営業しているまともな店はない。というか、東京が異常なんだよな。

忘れがちだけど、日本企業の外国支社って現地人にとっては外資なんだよね。そういう企業が残業させるのって帝国主義時代のプランテーションみたいな印象もあるし、ナショナリストや軍事政権下だと外資企業の従業員の残業が明確に法律違反だったりすることもあるので、残業しないで済むように仕事を進めるってのは当然と言えば当然といえば当然の話でしかないのだけど。

とにかく、今日は「辛苦了」。

最近購入する本が微妙にリンクしている

リチャード・ドーキンスの『祖先の物語 ~ドーキンスの生命史~ 上』を読み終わったあたりから、ジャレド・ダイアモンドからマット・リドレー、ステュアート・カウフマン、サイモン・シンあたりの科学ジャーナリストや科学者の啓蒙書籍が互いに引用し合っている。こうなってくると、やめられない。

驚いたのは結構なキワモノのつもりで購入した(実際、かなりのキワモノなんだが……)『実録・アメリカ超能力部隊 (文春文庫)』がリチャード・ドーキンスの『神は妄想である―宗教との決別』に引用されていたのは意外だった。ドーキンスも結構な乱読家なんだなぁ。相当アレな書籍なんだが。

来るたびに変わる中国

中国は、来るたびに変化する。この2年ほどで7~8度中国に来ているのだけど今回もやはり驚きがあった。

まず、iモード接続エリアが驚異的に広がっている。FOMAのローミングは合肥全域で使えたのだけどiモードは空港周辺とホテルの中しか使えんかったのだが、今回来てみるとそこらへんの路上でもしっかりiモードが接続できるようになっていた。パケホ対象外なので(しかもかなり高い)控えているがモバツイ快調である。昨年も北京にひと月おきに行った時期があるのだけど、このときもローミングエリアが広がり続けていた。

建物や道路がものすごい勢いで出来上がっていくのも、今の中国の特徴かな。市内中で工事をしているような雰囲気に包まれている。この間橋脚しかなかった高速道路が開通していたのには驚いた。5年以上も橋脚だけ置きっぱなしの首都高速とはえらい違いだ。

ミニマムなところでは、ホテルで部屋に届く新聞が英語の新聞になっていたりする。サービスも向上してるわけだ。中国語の合肥日報をとどけられてもなぁ、と思っていたところだったので大変ありがたい。

今週末は合肥の市城内に行ってみようと思っている。どれ位変わったのか、楽しみだ。