Retinaが描く正しいルビ

日本語の組版というと必ず言及される「ルビ」だが、確かに、日本語の文書を象徴するエレメントだ。EPUB 3ではこのルビのサポートが必須となったので、「Gene Mapper」でも紙面に見える漢字とひらがなのバランスと、それ以上に読むリズムを保つために多数のルビを用いている。

まず、Gene Mapperは外国人の台詞セリフを(翻訳エンジンなどの助けがない場合には)全て英語やベトナム語で記述している。完全な一人称で記述しているので、外国人の台詞を日本語で書いてしまうと不自然になってしまうからだ。また、読むリズムを再重要視して入れているので、一般的な日本語書籍のルビのルール(章の初出にルビを入れるなど)を破っているところも多いが、その辺が気になる読者もいるようで、なかなか難しいものだと感じているところだ。

今日はそのルビの組版について書く。ルビのサイズは印刷物の場合母字おもじ親文字の半分とすることが多い。半分のサイズであれば、一番きつい1.5行とり(行のトラッキングが文字の150%)でもルビが前の行に重ならなくて済むからだ。だが、このサイトのルビ、まともに読めているだろうか?ひらがなやカタカナであれば問題なく読めているだろうが、漢字のルビ添字、またアルファベットalphabetのルビが判別できるだろうか。

このように、読みやすいサイズの文字に対してディスプレイの解像度が足りないことが多い。そのため、大きめのルビを用いなければ、ルビを積極的に使うことはできない。

Gene Mapperでは、普通のディスプレイで見ている場合母字おもじ親文字の65%のサイズのルビを用いることにした。行間はゆったり目の1.75行。これなら漢字や英語の完全な対訳も読める。

だが、やはり、このサイズのルビは美観を損ねてしまう。せっかく大きめにとった行間がルビで潰されてしまうからだ。読める環境ならば美しい方がいい。そこで、CSSのMedia Queriesを用いて、Retina Displayの時はルビを母字親文字の半分のサイズにすることにした。これは縦書きでも横書きでも同じだ。

CSSのコードは以下。

rt {
    font-size: 0.65em;
}
@media  screen and (-webkit-min-device-pixel-ratio: 1.5), 
        screen and (min-device-pixel-ratio: 1.5) {
    rt {
       font-size: 0.5em;
    }
}

Retinaディスプレイを用いた本来のサイズのルビを体験できるのは、iOSのiBooksStanza(横書き)、KinoppybREADER(縦書き)、OS XならばMurasaki(縦書き/横書き)あたりだ。もし該当するマシンを持っていれば、ぜひ本来のサイズのルビを体験して欲しい。ReadiumはChromeのRetina対応がきちんと終われば表示できるようになるだろう。Retinaを持っていない方も、上のサムネイルをクリックすると原寸の画像が閲覧できるので、是非購入して見比べてほしい。

余談になるが、Gene Mapperは原稿の入力をほぼ全てiPhoneで行っているケータイ小説だ。iPhoneで原稿とを入力するときは青空文庫形式を用い、bReaderで縦書きをプレビューして読みのリズムを考えながら書いていた。いずれ、iPhoneでの入力についてもこの制作ブログで紹介したい。

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