電子書籍、流通の明日はどっちだ

Gene Mapper」を発行して一週間。Amazon.com、Kobo bookstoreそしてGene Mapper公式サイトの3つの販売チャネルで○○部を読者の皆様へ届けることができた(何冊かって?今はまだ内緒っていうか言わせんな恥ずかしい)。購入していただいた皆様、ありがとうございます。次回作もiPhoneで書いてます。楽しみにしてください。

ソーシャルグラフで販促しているといえば聞こえはいいが、要するに知人に声をかけて「本を書いたんだ。買ってよ」と言っているのと変わらない。さて、ここからどうやって販路を増やそうか、どこの広告から誘導しようか……という段階だ。そんな中、電子書籍で読むフィクションとして最適だと個人的に思うSF小説出版社の老舗、早川書房が重い腰を上げたというニュースが飛び込んできた。

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まず感謝。Amazonが日本で開くまではKinoppyでいくつか買うことになるだろう。このラインアップなら「一九八四年」と「華氏451度」は必携書(そうそう、こんな概念が生まれるのも電子書籍ならでは)だな。旧版もあれば是非買いたいところなのだけど……これからに期待するしかないか。

痛ましいのはブックリスタをはじめ、6つもの販売チャネルへ登録しなければならないことだ。当然Amazonの日本語版がオープンすればまた一つ増えるわけだが、AmazonやKoboのようなプラットフォーム、ブックリスタのような流通網はともかく、他の販社はそれぞれがひとつの書店でしかない。出す意味あるか?

ヒトケタしか売れんぞ、その書店では。

Gene Mapper」のKobo bookstoreでの売上冊数は「ヤマモトヨーコ」と「グインサーガ」の2巻以降を超えた。Kobo Writinglifeが対応していないため日本語の説明文すら書けない「Gene Mapper (Japanese Edition)」がSF・ファンタジー>SF分野の2ページ目、トップに現れてしまっている。何万倍もメジャーなヤマモトヨーコとグインサーガのシリーズは、一巻を除いてヒトケタ冊しか売れてないということだ。そして、Kobo bookstoreは10万端末を今月投入したばかり。今、一番売れている電子書籍専門書店のはずだ。そこですら、こうだ。SFジャンル開いたらミニスカと伊藤計劃とヤマモトヨーコしかないのに、ヤマモトヨーコの多くはヒトケタも売れていない。

Gene Mapperの権利は全て私に帰属するのでちょっと無茶なAdWordsで引っ張り込んだりしているあたり、同条件で競争しているわけではないから順番はどうでもいいのだが、売る気もないのに登録するのは、読者を筆頭に関わった人が全て不幸になる。

4万円(緊デジで今なら1.2万円だが)かけてEPUBにコンバートして登録したのに3冊(500円の本なら出版社の売上は1,050円だ)しか売れてない本に痛ましい間違いが見つかったとして、修正してアップロードするか?

しない。商売ならそこで修正しちゃいけない。いや、そもそも売り出しちゃいけないんだ。一般的な出版社が書籍ごとに損切りをやっているかどうか知らないが、その売り場での生涯売上は損切りまでに達成できない……アイテムごとの損切りはやっていないところも多そうだね。

だからブックリスタのような流通を作ったんじゃないのか?使おうよ。そして、小さいところに出品するなら本当によく考えようよ。ミルフィーユのようにステイクホルダーを重ねる日本型の弱者連合ビジネスは作家や個々の幸せに繋がりにくいとはいえ、コンテンツを「クリーン」に保たなければならないAmazonやApple、Googleのような巨人にできないことができるんじゃないだろうか。

「Gene Mapper」を著述から制作、販売管理まで全部一人でやっている理由はいろいろあるけれど、ブックリスタが個人出版人の本を受け入れてくれるなら、是非、登録させて欲しいものだ。

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